性器クラミジア感染症の基礎知識

性器クラミジア感染症とは

 性器クラミジア感染症はクラミジア・トラコマチスを病原体とする、国内で最も多い性感染症です。

 感染をしても自覚症状に乏しいため、診断治療に至らないことが多く、無自覚のうちにパートナーや新生児へ感染させることもあるので、注意が必要です。また、口腔性交(オーラルセックス)による咽頭への感染も少なくありません。

症状

 男性では排尿時の痛み、尿道の不快感、かゆみなどの自覚症状がでます。女性では子宮頸管炎、不妊などを起こしますが、自覚症状に乏しいことが多いです。また、妊婦が感染していると、産道をとおして新生児に感染し、肺炎や結膜炎を起こします。
 また、性器クラミジア感染症をはじめとする性感染症に罹患していると、HIV(ヒト免疫不全ウイルス)にも感染しやすくなるので注意が必要です。

治療

 抗菌薬で治療を行います。性器クラミジア感染症はパートナー間でお互いに感染させるいわゆるピンポン感染があるため、両者の治療を同時に行うことが重要です。

予防

 予防にはコンドームを使用することや、感染が疑われる相手との性的接触を避けることが重要です。異常を感じたら、早めに泌尿器科、産婦人科などの医療機関を受診して相談しましょう。

名古屋市における性器クラミジア感染症の定点医療機関あたり報告件数 年次推移

 名古屋市では、性器クラミジア感染症患者の報告件数が全国平均と比較して高い水準で推移しています。男女ともに20代の若い世代に多く報告されています。

名古屋市における性器クラミジア感染症患者の男女比・男女別年代内訳(令和5年次)

※定点医療機関の報告件数を基に作成