Q&A
感染経路
オーラルセックス(フェラチオやクンニリングスなどの口を使った性行為)でも感染しますか?
相手の体液(精液、膣分泌液)が口やのどの粘膜に接触した場合、HIVに感染する可能性があります。男性器にはコンドームを、女性器にはデンタルダム(歯科治療用のラテックスシート)等を使用することにより予防できます。
1回の性交渉でもHIVに感染しますか?
感染する可能性はあります。1回の性交渉でHIVに感染する確率は、0.1~1%と言われています。ただし、相手がHIV陽性者であっても、治療によって体内のウイルスがきちんと抑制されている場合、感染する可能性はほぼありません。
検査
感染機会から3ヵ月たたないうちに検査を受けてしまいました。今日、検査を受けるべきではなかったでしょうか?
感染機会から3ヵ月たっていなくてもHIV検査を受けること自体に問題はありません。その時点での検査結果は一つの目安に過ぎませんが、一度検査を経験し、いまの心配事をスタッフに相談をすることで、気持ちが落ち着くこともあります。ただし、正しい検査結果を得るため、感染機会から3ヵ月たった後に、もう一度検査を受けてください。
検査の際、採血をされましたが、注射針でうつりませんか?
本市が実施するHIV検査で使用される注射針は、すべて使い捨てです。したがって、採血の際に感染することはありませんのでご安心ください。
予防方法
ピルでHIVや性感染症を予防できますか?
ピルは、避妊や月経困難症等の治療を目的とした薬です。HIVや性感染症を防ぐことはできません。HIV、性感染症の予防にはコンドームを使用しましょう。
感染不安、性行動の悩み
HIV検査を受けて「陰性」とわかっても、しばらくすると再び不安になってしまいます。頭では“心配いらない”とわかっているのですが、不安が収まりません。
HIV検査で不安になるのはごく自然なことです。多くの場合、一時的に不安になっても、検査の結果がわかり、気持ちの整理がつくにつれて不安は解消していきます。
しかし、陰性とわかっていてもHIVに関する不安で頭がいっぱいになり、日常生活を脅かすほどであるならば、専門家(精神科・心療内科医師、カウンセラー等)の力を借りた方が有益かもしれません。適切な治療やカウンセリングによって、不安をうまくコントロールできるようになる可能性があります。
HIV・性感染症が不安なのに、感染リスクのある性行為を繰り返してしまい、やめられません。
あなたが感染リスクのある性行為を繰り返すときは、どのようなタイミングでしょうか?特定の状況・心境(お金が手元にある、寂しさやイライラ等)など、何らかの引き金があるかもしれません。対処の一つとして、その引き金を意識的に減らしたり、性行動以外の行動に置き換えたりすることで、性行為の回数そのものを減らすという方法があります。
しかし、さまざまな努力も効果がなく、性行為に翻弄されるあまり「人付き合いや経済面に支障をきたしている」「後悔して落ち込む」等、問題を感じている場合は、専門家の支援を受けることをお勧めします。
近年、自身の性行動に悩む人々のための自助グループや、依存症あるいは強迫性障害の一種として治療に取り組む医療機関・相談機関が出てきました。まずはご自身の健康のためにHIV・性感染症検査を受けていただいた上、支援機関にアクセスしてみることをお勧めします。
HIV陽性とわかったら
HIV陽性とわかりましたが、現在、特に症状はありません。それでも早く受診した方が良いのでしょうか?
症状がなくても、できるだけ早めに医療機関を受診することをお勧めします。精密検査の結果、自覚症状のない病気が見つかったり、すでに免疫力が低下していて、すぐに治療が必要な場合があったりするからです。
また、早めに自分の病状を知り、医療スタッフから助言を受ければ安心できますし、治療方針が決まれば今後のスケジュールも立てやすくなります。
周囲(家族、パートナーなど)への告知についてどうするか悩んでいます。
HIV感染の事実を、誰に、いつ、伝えるか・伝えないかは、あなた自身の意思にゆだねられます。誰にも言わない人もいれば、パートナーや家族だけに伝えている人、友人や職場の人にもオープンにしている人など、告知範囲もさまざまです。あなたにとって最も安全で、納得できる告知範囲はどのようなものでしょうか?もし、周囲への告知について迷いがある場合、専門の医療機関によっては、医療スタッフが相談に乗ってくれるところもあります。受診中の医療機関に問い合わせてみると良いでしょう。
HIVに感染していることを会社に告知するべきでしょうか?
会社への告知義務はありません。HIV感染の事実を伝えるか否かは、あなた自身の意思にゆだねられます。
会社に病気のことを伝えるメリットとしては、受診や体調の変化があったときに配慮が得られる等があります。一方、会社の受け止め方によっては、思わぬ不利益をこうむる等のデメリットがあるのも現実です。あなたの体調や状況を踏まえ、一番利益があると思われる選択をしてください。
健康診断、健康保険証の使用などから、会社にHIV感染の事実が知られてしまうのではないか心配です。
健康診断で行う一般的な血液検査には、HIVを検査する項目は含まれていません。オプションでHIV検査が受けられる健診施設もありますが、本人の同意が必要であるため、無断で検査が行われることはありません。
また、一般的に、医療機関でHIV診療のために保険証を使用しても、その診療内容や病名などが職場に伝わることはありません。ご安心ください。
家族やパートナーと同居する上で、注意することは何ですか?
性行為以外の日常生活で感染することはありません。
食事、トイレ、風呂を分ける必要はなく、これまでと同じで構いません。ただし、歯ブラシやかみそり等、血液が付着する可能性のあるものは共用しないようにしてください。抗HIV薬を飲んでウイルス量が大きく低下すれば、性行為でパートナーに感染させる可能性はほとんどなくなりますが、他の性感染症予防の観点から、コンドームの使用が勧められます。