HIV/エイズの基礎知識
HIVとは
HIVはウイルスの名前で、英語の「Human Immunodeficiency Virus」の略称です。日本語ではヒト免疫不全ウイルスといいます。
HIVに感染すると、免疫の中心である白血球の一種「ヘルパーTリンパ球(CD4陽性細胞)」が破壊され、さまざまな病原体から身を守る免疫機能が低下していきます。
エイズとは
エイズは、英語の「Acquired Immuno Deficiency Syndrome」の略称で、日本語では後天性免疫不全症候群といいます。
HIV感染によって免疫機能が低下し、その結果、健康な状態であれば自分の力で抑えることのできる病気(日和見感染症)を発症した状態のことを指します。
経過と症状
急性感染期(1週間から6週間後)
発熱、だるさ、発疹、関節痛など、インフルエンザに似た症状があらわれますが、多くの場合、しばらくすると自然に消えます。
無症候期(数年から10年程度)
自覚症状のないまま、数年から10年程度が経過します。この間、症状がなくても体内のHIVは増殖を続けており、免疫機能は低下していきます。
エイズ発症期
治療を受けていない場合、HIV感染によって免疫機能が低下し、本来なら自分の力で抑えることのできる病気(日和見感染症)を発症します。日和見感染症には、ニューモシスチス肺炎、カンジダ症、結核、悪性腫瘍などがあり、これらの発症をきっかけにHIV感染が判明することもあります。
HIV感染症/エイズの治療法は進歩しています!
HIV感染症の治療は、飲み薬による治療が主流です。現在使用されているHIV感染症の治療薬は、とても効き目が良く、副作用も少ないものになっています。治療を受けてウイルス量を抑え、良い体調を維持できれば、これまでどおりの日常生活をおくることができます。仕事や学業等も続けることができ、他人に感染させる可能性もほとんどなくなります。
HIV検査によって自身の感染を早く知り、早期に治療を始めた方が健康維持に有利です。
しかしながら、いまのところ体内からHIVを完全に取り除く治療方法はないため、糖尿病などの慢性疾患と同様、長期にわたり治療を続ける必要があります。
感染経路
HIVは、精液、膣分泌液、血液、母乳に多く含まれており、傷口や粘膜から感染します。傷のない、正常な皮膚から感染することはありません。
感染経路は、性行為による感染、血液を介した感染、母子感染の3つに限られています。
性行為による感染
日本国内で感染経路の9割以上を占めるのが性行為によるものです。HIVを含む精液、膣分泌液、血液が、性行為中に性器や肛門、口などの粘膜を通って感染します。
また、梅毒など他の性感染症によって炎症が起きていると、その部分からHIVに感染する可能性が高くなります。
血液を介した感染
HIVが含まれる血液の輸血や、覚せい剤等の使用における注射器具の共用が原因で感染します。
母子感染
母親がHIVに感染している場合、妊娠中や出産時、授乳時に赤ちゃんに感染することがあります。
妊娠中の内服、帝王切開による出産、母乳は与えず人工栄養(粉ミルク)で養育する等の処置で、赤ちゃんへの感染率を1%以下に抑えることができます。
こんなことではうつりません!
HIVは感染力が弱いウイルスです。下記に示すような、日常生活で感染することはありません。
こんなことでは うつりません
統計情報
HIV感染者/エイズ患者の報告数などはこちらをご覧ください。
統計情報
リンク
エイズ予防財団 API-NET
公益財団法人エイズ予防財団公式ウェブサイト。HIV/エイズの基礎知識、名古屋市外の検査機関の検索、電話相談など